2019年2月16日(土)から大阪市立美術館で開催される「フェルメール展」は、どんな作品が展示されるのでしょうか?
現存する作品が35点と言われるフェルメール作品のうち、大阪会場は6点展示されます。
展示される作品とそれぞれの詳細をご紹介します。
日本初公開・大阪会場でのみ展示される作品があります。
大阪市立美術館「フェルメール展」展示作品一覧
大阪会場でのみ公開される「恋文」、東京会場で公開された日本初公開となる「取り持ち女」が展示されます。
恋文 大阪展のみ公開
アムステルダム国立美術館
ブリュッセルの展示会に貸し出し中に盗難にあって際、ナイフで切り取られ丸められていたため、発見されたときには大変なダメージをうけていました。
届いた手紙を召使から渡され女性が、何とも言えないような困惑した表情をしています。
開封前なので内容ではなく差出人が訳ありなのか、召使の手前バツが悪いのでしょうか?
手前から室内をのぞき見しているように描かれています。
この作品は、東京・上野の森美術館「フェルメール展」では公開されず、大阪市立美術館「フェルメール展」でのみの展示なので、大阪会場でなければ、見ることができません。
取り持ち女 日本初公開
アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン国立古典美術館)
サインと制作年が作品の右下に記されおり、制作年がハッキリとわかる3点のうちの1点。
140×130cmと大きな作品で、フェルメールには珍しい風俗画です。
左から2番目の「取り持ち女」と言われる売春婦とお客を仲介する女性が、お客である赤い服の男性と黄色い服の女性を引き合わせている場面。
左端の男性がフェルメール自身であると言われているが、定かではない。
マリアとマルタの家のキリスト
スコットランド国立美術館
フェルメール作品の中で、一番大きく158.5×141.5cmあります。
聖書に関する題材を描いたもので、キリストがマリアとマルタ姉妹の家に招待されたときの様子を描いたものである。
姉のマルタはキリストをもてなそうとしているが、妹マリアはキリストの話しに聞き入っている。キリストが姉マルタに「あなたは多くのことに気を配っているが、大事なことは1つ。マリアは良い選択(キリストの話しを聞くこと)をした」と言って、妹マリアのように話しをちゃんと聞くように諭している場面です。
リュートを調弦する女
メトロポリタン美術館
保存状態が悪く真偽の論争が長く続いていたが、真作であると認められた作品。
「窓辺でキターを弾く女」と言われていた時期もある。
フェルメール作品によく描かれる、左側からの日差しが入った室内で、窓の外を眺めているところです。全体的に暗くわかりにくいですが、もう一つ椅子と楽器があることから、これから来る誰かを待っていると思われる。
手紙を書く女
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
フェルメール作品の小道具としてよく使われる、白い毛皮がついた黄色い上着は「恋文」の女主人と同じです。
真珠のイヤリングを付け、髪にはたくさんのリボン、そして、テーブルの上には真珠のネックレスが置いてあり、手紙を書く手を止めて、こちらを見る様子はとてもしなやかです。
イヤリングを付けた作品はたくさんありますが、両耳についてる作品はこの「手紙を書く女」だけです。
手紙を書く婦人と召使
アイルランド国立美術館
個人が所有しており盗難に2度あい、2度目の盗難後、現物不在でアイルランド国立美術館に寄贈され発見後返還され、そのままアイルランド国立美術館に所蔵されています。
召使が女主人の手紙が描き上がるのを待っている様子。
召使の表情を読み取ることが難しく、手紙に関して女主人との共犯関係を示唆してるようであり、これから手紙を届けなければならないことに対する不満があるように読み取れます。
大阪市立美術館「フェルメール展」 展示作品まとめ
2019年2月16日(土)から大阪市立美術館で開催される「フェルメール展」で公開される作品の紹介をしました。
会場へ行かれる前に、作品の意味合いなどを調べていくと、より楽しめると思います。
また、大阪市立美術館では、各作品の鑑賞ポイントやエピソードを、石原さとみさんがナビゲーションしてくれる音声ガイドがを600円(税込)で借りることができます。

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