変態の中の変態、危ない画家のエゴン・シーレです。
その半生は、映画「エゴン・シーレ 死と乙女」にもなっています。
では、シーレの変態っぷりをご紹介します。
妹に執着 近親相姦?
シーレは中学生のころから、4つ下の妹ゲルティと怪しい関係だったと言われています。
実際、妹ゲルティをモデルにしたヌードが多数あり、その中には卑猥なポーズのものもあります。しかし、年頃になったゲルティが兄を拒否するようになったため、街で声を掛けた少女たちをアトリエに入れ、ヌードモデルにしていました。
16歳の妹ゲルティのヌード画
父親はシーレとゲルティの関係を疑い、鍵のかかった部屋に二人でいるところに踏み込んだと言われています。その父は、シーレが15歳のときに亡くなっています。
お母さんは、妹を裸にして絵を描いてるシーレを見て、どんな気持ちだったのでしょう。
運命の裸体モデル ヴァリ・ノイツェル
Portrait of Wally Neuzil(ヴァリの肖像画)
17歳のヴァリ・ノイツェルをクリムトから紹介されて、同棲を始めます。
シーレの母親の故郷である田舎町で暮らしますが、シーレがアトリエで娼婦や少女をヌードモデルにしていることが保守的な住民に受け入れられず、町から追い出されてしまいます。
次にウィーン郊外のノイレンクバッハで暮らし始めますが、ここでもアトリエに出入りする少女や娼婦の存在が、住民に受け入れてもらえません。
シーレは14歳の少女を宿泊させたことから、誘拐・淫行の疑いで逮捕されることとなります。アトリエから押収された作品の中に少女たちのヌード画がたくさんあり、裁判の結果有罪。24日間の拘留と3日間の禁固刑を受けます。
ちゅーか、一回目に追い出されたんだから、次は気を付けたらどないですのん?
裕福なハルムス家姉妹との関係
左)エーディットの肖像画 右)Seated Couple(シーレとエーデット)
ウィーンに戻ったシーレは、向かいの通りに住んでいた裕福なハルムス家の姉妹と仲良くなり、生活の安定と社会的信用のため妹エーディトと結婚しますが、ヴァリとの関係も続けようとします。しかし、ヴァリは受け入れず、シーレの元から去っていきます。
シーレは、妻エーデットと姉アデーレとも関係がありました。
シーレ、マジ鬼畜じゃん。
とはいうものの、未成年じゃないから本人たちが良ければOKなんだけど・・・気持ち悪い。
Reclining Woman with Green Stockings(姉アデーレがモデル)
出征と死
結婚後すぐに招集されますが、芸術家は前線におくらない軍の方針のおかげで捕虜収容所の看守として、生き延びることができました。
第49回ウィーン分離派展に50点以上の出品し注目されたことにより、絵の買い取り依頼が入り、作品の価格が上がり、画家として認められ始めたシーレ。
しかし、妻エーディトが妊娠中にスペインかぜで亡くなり、シーレもその3日後に同じスペインかぜで亡くなります。シーレ28歳、若すぎますね。
「死と乙女」「ライナー家の少年」
「死と乙女」は、長年の恋人ヴァリと別れて、エーデットと結婚したときに描かれたもので、女性はヴァリ・男性は死神になったシーレ。
「死と乙女」は芸術界でよく見かける題材。絵画とか音楽とか。
死神になったシーレが、ヴァリを死の世界に引きずり込もうとしてるようにも思うし、ヴァリが死神になってしまったシーレにしがみついてようにも見える。まぁ絵画の解釈は、見て感じたように受け取ればいいとおもうので。
シーレの結婚によって捨てられたヴァリですが、結婚後も密会しようと持ち掛けるシーレに対して、そんなクズ男はいらないと捨てたのはヴァリのように感じます。
シーレとヴァリ、破局してよりダメージを受けたのはシーレなんじゃないかと思います。
ウィーン旅行に行ったとき、シーレの作品をたくさん見ました。
その中で、印象に残っているのは、代表作である「死と乙女」と「ライナー家の少年」
エゴン・シーレ、なかなかの変態でしょ。
シーレの写真見ると「変態かも?」と思うくらいに異常性が伝わってきますが、そこがとても魅力になってて不思議なんです。声を掛けられた少女たちが、モデルになった気持ちがわからなくもないんです。でも、未成年はあかんよ。変態はセクシーなのかも?
エゴン・シーレの作品を検索するときは、エロい画像が出るので注意してください。
※ シーレ作品はパブリックドメインなので掲載しました。